今週の推奨品

柘植 第338回目

今週から3回に渡って普及品クラスの日本産銘木をご紹介いたします。第一回は柘植。ツゲ/黄楊 / 柘とも表記され、本柘植は本物という意味で代価品であるシャムツゲやセイヨウツゲと対比した表現になります。その緻密な木質と狂いの少なさで、古くから印鑑や櫛、細密な彫刻、刀の鞘などに使われてきました。世界的に見ても、これほど均質で加工精度の高い木材は珍しく、かつては浮世絵の版木にも採用されるなど、日本の美術工芸に欠かせない存在でした。しかし、成長が遅く、大径木になるまでに長い年月を要するため、現在では国産の天然柘植は希少性が増し、貴重な資源となっており、山田念珠堂ではこの本柘植のみを使用しております。