数珠の選び方
Q:数珠の玉で、楕円の玉がありますが、何か意味があるのですか。
A:みかん玉のことですね。特に意味はないと思いますが、真言宗のお坊さんは、このみかん玉の百八玉の数珠を持つことが多いと思います。
Q:私たち一般の人が持つ数珠はみかん玉でも良いのですか。
A:もちろんです。丸い球形の玉に較べるとみかん玉は手にした感じが柔和で、見た目も少し目を引くものになります。男性でも女性でもお持ち頂いても大丈夫です。
実はみかん玉、職人のくせによって形が微妙に異なり、同じみかん玉を作ることは難しいという舞台裏もあります。
見栄えということで言えば、歴史物の『大鏡』には本物の蜜柑を玉にした数珠の話がでてきます。
Q:本物の蜜柑ですか?
A:そう、蜜柑です。主玉には普通の蜜柑、親玉には夏蜜柑のような大きな蜜柑を使ったとあります。この本物の蜜柑の数珠の逸話は平安時代の花山天皇(かざんてんのう)のものです。NHKの大河ドラ『光る君へ』では本郷奏多さんが花山天皇を演じていました。残念なことにみかん玉の数珠のシーンはありませんでしたが。
蜜柑ではありませんが、この透明な蜜柑色のみかん玉の数珠はいかがですか。
Q:ちょっと、どきどきするような美しい数珠ですね。
A:思わず、ときめきますよね。トパーズのみかん玉の数珠です。丸玉にくらべるとみかん玉の数珠は非日常的な雰囲気がありますね。この数珠はどうでしょうか。
Q:木の玉ですね。赤味を帯びた深い赤紫色のみかん玉、大きな石の玉は何でしょうか。
A:木の玉は本紫檀で、大きな貴石は赤虎目石です。
Q:迫力がありますね。そしてエレガント。組合せの妙に加えて、不思議な感じがします。本紫檀とはどのような材料ですか。
A:本紫檀はタイやミャンマーで採れる木材ですが、現在では伐採と流通が厳しく制限されており希少性の高い材料です。
次にご紹介するこの数珠は百八玉の数珠で宗派を問わず手にして頂けるもの、みかん玉の連なりが美しい数珠です。
A:次は星月菩提樹の小粒のみかん玉を使った数珠です。実際に手に持ってみましょうね。
Q:少し小振りの数珠ですね。
A:銀色の金具を入れることで、持ち手の思いを表現したものです。少し濃い色になっているのは、日々手に持つからです。
A:次に紹介するのは天台宗の数珠です。
Q:みかん玉より平たい玉の数珠ですね。
A:この数珠はみかん玉ではなく、さらに平たい平玉(ひらだま)と呼ばれる玉を使ったものです。天台宗ではこの平玉の数珠を用います。ちょっと特徴的な数珠ですね。
Q:たかしに平たい玉ですね。
A:そうですね。玉によって大平(おおひら)、中平(ちゅうひら)などの種類があります。
Q:色々なカタチの玉があるのですね!!
2024.12.15 UP DATE