数珠の選び方
数珠には、他の玉(主玉、メインとなる玉)に比べて少し小さな玉が使われています。この玉のことを「天玉」と呼んでいます。
現在日本で使用されている数珠の「天玉」は、宗派ごとに仕立てられた本式の本連数珠には4つ、どの宗派でもお使いいただける略式の片手数珠には2つ見られます。
本連数珠の「天玉」は「四天玉」とも呼ばれ、メインの主玉とは素材が違う場合もあり、少し目立つように数珠が仕立てられています。
数珠は「数」の「珠」と書きますが、「数」をカウントする機能が備わっています。「7回」「21回」と真言をカウントする宗派があり、中途半端な数をカウントする目印が必要だったのでしょう、目印となる「天玉」を親玉から7つ目、21つ目に配置しています。ちなみに、現在の本連数珠の多くは、この天玉の配置です。
ただ、曹洞宗の天玉は親玉から18つ目、36つ目に配置されていますし、浄土宗の日課念珠は間玉(主玉より小さな玉)と主玉が交互に多数配置されています。
また、「天玉」の意味もさまざまあり、つまり、「天玉」の配置や意味は、宗派や教えにより多様なのです。
この「天玉」は、本来は数珠には無かった玉のようで、歴史を重ね仏道を深めていく過程で加えられた、法具として進化してきた足跡だとも考えられます。
数珠の豊かなデザインは仏道の深まりと共にあると思えます。仏教に対し情熱あふれる想いが念珠として現れているように感じられます。これからも念珠は進化していくに違いありません。
2024.1.5 UP DATE