数珠の選び方
神社にお詣りする時でも、数珠を持っていても悪いとは思いません。ただ、神道では数珠は使いません。数珠は仏教の法具です。神社でも仏教の僧侶の方が神前でお経を唱えているのも事実です。これは最近始まった事ではありません。
神社と寺院の関係について触れますが、神社と寺院を区別するようになったのは、明治政府が「神仏分離」の政策を発してからになります。「神仏分離」以前、神社の運営を僧侶がするなど、神社と寺院は近しく深い関係でした。
日本では、元々、日本古来の八百万の神を信仰していましたが、6世紀に当時の最先端の文化であり宗教であった仏教が日本へ伝わりました。外来の教えであった仏教は受け入れに反対されたりもしましたが、仏教が入ってくるとほぼ同時に、神仏の関係性が生まれ、8世紀の奈良時代には「神仏習合」という、日本古来の神様への信仰と仏教の信仰を結びつけた考えが生まれ、21世紀の今も続いています。
日本に根付いている風習や文化や神道や仏教は、様々に繋がり発展し人々に受け継がれ、歴史的背景も重なり、簡単に割り切って説明できるものではありません。
敬う心があり失礼がなければ、数珠を持った参拝で、八百万の神様もきっと喜ばれると思います。三種の神器の1つは勾玉。数珠も玉で作られています。共通の「玉」というのものは、神道と仏教の関わり合いや、信仰で重視される要素ではないかと感じられますね。
2023.5.2 UP DATE