数珠の選び方
どの宗派でもお使い頂ける略式の「片手数珠」は、特に決まりはありません。宗派ごとに仕立てられる「本連数珠」は、それぞれに決まった形がありますので、房もそれぞれに特徴があります。
房の部分に玉があるかないか、房にある玉が動くか動かないか、この辺りもひとつのポイントです。房の部分にある玉を「数取り(かずとり)」と言い、「数取り(かずとり)」が動かせる念珠の場合、数をカウントする時、便利に使えます。
輪になっている主玉を数えたら、数取りを1つスライドします。房にある数取りを全て上へ移動すれば、次に全てを下へ動かす事ができます。玉の数量により、カウントできる回数も様々です。
この「数取り(かずとり)」ですが、「弟子玉(でしだま)」とも呼ばれます。何とも意味深い雰囲気のネーミングです。こんな名前の玉がついた念珠を持てば、仏の弟子となる気持ちも高まりますね。さすが本格仕様の本連数珠です。
しかもこの弟子玉、立ち振る舞いも素晴らしいのです。一度スライドさせた弟子玉は、勝手にはズレ落ちません。玉の穴の大きさと軸の太さをピタリと調整し、仕立てているからです。あまり知られていませんが、本連数珠の機能の1つです。試しにやってみてください。
この弟子玉のように、ブレずに心を落ち着けたいものです。
2022.3.1 UP DATE