山田念珠堂は国産数珠にこだわっています。全製品が「日本産」の数珠です。貴石などの一部の玉素材の加工は海外でも行いますが、房・軸、そして仕立ては全て国内で行います。数珠の中には海外で作られた房を国内で仕立てただけのものもあります。山田念珠堂の数珠には「日本製」「伝統と技術 日本製」のタグが付けられています。このタグこそがお客様に提供できる信頼の証です。
山田念珠堂の数珠工房が他の数珠工房と大きくことなる一つが、工房内に房を製作する機械の音が響いていることにあります。数珠は伝統的に分業制度で作られてきました。いわゆる数珠屋さんとは、玉を仕入れ、房を仕入れ、それを組み立てる業者さんのことを言います。ですので、大半の数珠屋さんの工房は静かです。数珠屋さんのサイトの多くでは、作務衣を着て数珠を仕立てる画像や動画を紹介していますが、山田念珠堂には作務衣の職人はいません。なぜなら私達は「数珠メーカー」だからです。
山田念珠堂ももちろん数珠屋なのですが、他の数珠屋さんとは異なる「数珠メーカー」です。
山田念珠堂の工房は房や軸を作る機械の音がする、とても元気で賑やかな工房です。日本の数珠屋さんの中で、最も活気のある工房であることが自慢です。
数珠は玉と糸で構成されますが、糸を撚り、軸を編むことは大切な仕事です。いわゆる組紐の仕事で、数珠の軸では四つ組という仕事になります。伝統的には職人さんが軸を手作業もしくは組紐台を使って編んできました。山田念珠堂ではこの四つ編みの仕事を機械化しています。職人の手仕事は確かに素晴らしいのですが、全ての製品に軸にとって大切なしなやかで張りのあるテンション(張力)を求めるために、山田念珠堂では自動機による四つ組みを実現しています。
数珠は撚られた糸が生み出す工芸品と言っても過言ではありません。山田念珠堂では軸の糸、房の糸、そして中通しの糸を社内の工房で撚り上げます。製品によって必要な撚られた糸のテンション(張力)があり、山田念珠堂は数珠毎に必要とされる糸を撚り上げます。
海外で製造される完成品の数珠の房が使ううちにだらしなくなるのは、糸の素材の悪さ、撚られたテンションの悪さによるものです。房を海外から仕入れて国内で組み立てる製品についても同様のことが言えます。
数珠房の一部は海外での製造に依存しており、また国内の房製造業者は高齢化問題もあり、日本産数珠を製作するために房を内製化することは重要です。ほとんどの数珠屋さんは、房を房屋から仕入れますが、山田念珠堂では房を自社工房でも製作します。社内工房で撚り房製造機を持つ数珠屋は珍しく、何よりもこの撚り返しの機械を製造する業者はなく、大変な貴重な製作機械です。
染色された細い糸を撚り合わせることから房作りは始まります。糸を縒る糸取りの機械はコンピューターで制御され、二回撚り、三回撚りなどにより太さを調整します。数本の糸を撚り合わせることで糸自体の張りを生みだし、房にした時にしなやかなテンションを持った房を作ことができます。撚られた糸は、房に仕立てる機械に掛けられます。撚り房の先端は丸い輪になっていますが、この機械を通すことで撚り房が作られます。
国産数珠を製作するには、様々な困難があります。染色された原糸を様々な彩りで持つこと、その糸を撚り上げる機械の設置と維持、房を作る機械のメインテナンス、そして軸を作る職人技の伝承と工房内にある40台もの軸製作機械の維持、最高の数珠に仕立てる職人の養成。山田念珠堂がここまで国産にこだわるのは、数珠は祈りを託す法具だからです。
山田念珠堂の国産数珠には「日本産」「伝統と技術 日本製」というタグを付けております。数珠をお選びの際には、是非信頼の目安として下さい。